目次ほたる 「記憶のはしっこ」#26
6 Photosモデル・ライターとして活動する20歳、目次ほたるが写真を通して、忘れたくない日々の小さな記憶をつなぐ連載「記憶のはしっこ」の26回目です。
目次ほたる 「記憶のはしっこ」#26
6 Photosモデル・ライターとして活動する20歳、目次ほたるが写真を通して、忘れたくない日々の小さな記憶をつなぐ連載「記憶のはしっこ」の26回目です。
写真を毎週撮り続けていると、正直たまに撮るのが辛くなる時がある。
どうして辛くなるのかを紐解くと色々と理由はあるのだけれど、写真に限らず、ものを作ったり、なにかを表現する行為は、どれをとっても辛い。
が、それ以上の理由のつけられない楽しさがあるから続くのだと思う。
楽しいと辛いの間で揺れながら、良い写真が撮れたときの無上の喜びを心待ちにして、とにかくシャッターを切る時間。それが大切なんじゃないかと、なんとなく感じる。
水中の匿名性。
最近は動画配信サービスを使ってアニメを観るのにハマっていて、時間さえあればテレビのリモコンを握っているので恐ろしくなる。
最近のアニメーションはものすごい勢いで進化しているのか、鮮明な映像に加えて3Dなどの最新の技術を用いたことによる、画面の立体感や躍動感に毎度感動するのだ。
もともとアニメ好きな私は、小学生の頃から多くの作品を見て育ってきたのだが、最近少し変わったことがある。
それは、アニメを見た後、どこが面白かったのかを研究するようになったことだ。
というのも以前、尊敬している人とアニメの話をしていたとき、「そのアニメはどうして面白かったのだと思う?」と質問されたことがあった。けれども、私はその問いに具体的に返答ができなかったのだ。
曖昧な返事しか出てこずに焦っていた私に、その人は「何かを面白いと感じたら、その思いの理由を深堀りして、研究してみなさい。きっと役に立つはずだ」と言ってくれた。
それまで目の前の映像を面白がるばかりで、それがなぜ面白いのかを考えたこともなかった私は、それからというもの、アニメに限らず作品を見るたびに、その感想と理由をメモに書き出すようになった。
そうすると、面白かった作品の共通点が見えてきたり、面白いと思う作品が自分のなかで少しずつ変化しているのがわかったり、作品を見終わったあとにまた新しい発見が出てくるのだ。
今は人と会える機会や外出する機会も減って、生活の中での外的な刺激が以前に比べてずっと少なくなっている。
それでも、目を凝らせばまだまだ吸い取れるエッセンスはたくさん潜んでいるのだ。
どんな状況にあっても、そんな日常に潜む小さな変化や感情の動きから、より多くのことを学べるようにありたい。
成長過程。
撮影・文 目次ほたる