vol.4「カメラロールにない表情」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、4回目は「カメラロールにない表情」です。
vol.4「カメラロールにない表情」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、4回目は「カメラロールにない表情」です。

『ふと思い出す顔が横顔であるとき、その人との関係は深かったんだなと思う』
この文章は、何年か前にわたしがTwitterに書いてたくさんの人に見ていただけた文章だ。
この文章にはさまざまなバックグラウンドがある。
わたしは、誰かのことを思い出すとき、頭の中で写真に切り取られた一瞬の表情を思い出す。
こう文章にするとややこしく聞こえるので例を出すと、わたしが大学生のときにいつも一緒にいたバスケ部の後輩は、いろんな表情を見てきたけれど、バスケットボールを抱いて寝ている姿の写真を思い出す。
東京に来て1年くらい経ったときに出会って、今ではとっても大切な存在の友人の1人は、目を細めて優しく笑っている姿の写真を思い出す。
このようにわたしは、誰かを思い出すときに、どれかしらの写真の表情がパッと思い浮かぶ。
じゃあなぜこんなことを思ったのかと言うと、
たくさんの時間を一緒に過ごす人とは、
「横並びで歩いた時間が多かったり」
「横並びで映画を見たり」
「横並びでご飯を食べたり」
“隣”にいることが増える。
横顔を見ることが多くなる。
一緒に多くの時間を過ごした人の自然な横顔は写真に写っていなくても思い出せる。
それってなんかすごく特別な気がしてそんな人たちのことを思い出してはあったかい気持ちになった。

お父さんの車の助手席。食べかけの肉まん。お母さんがお父さんに「お父さんも食べる?」って渡すのがお決まり。ちなみに「いらない」って父が言っても「美味しいから食べてみなよ〜」までがお決まり。

東京のどこかの公園のぶらんこ。はじめはお仕事で会ったのに今ではお仕事関係なく話せる人。

妹と富山帰省の日を合わせた夏休み。見慣れた田んぼ道。帰って来れる場所。

仲の良い友達と思い立ってドライブして山奥まで行った日。
急に「ちょっと静かな場所行きたくない?」っていうノリができちゃうのが好き。しかも雨。
カメラフォルダーの中でも数少ない横からのアングルの写真たち。

撮影・文 彩雪