vol.6「ゆっくりと過ごす時間」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、6回目は「ゆっくりと過ごす時間」です。
vol.6「ゆっくりと過ごす時間」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、6回目は「ゆっくりと過ごす時間」です。
わたしは富山県で育った。
懐かしくもなんともないくらい変わってしまった駅や街もある。
新しい建物が増え、思い出の地がどんどんなくなっていく。
それでも「ああ、帰ってきたな」としみじみ感じるから不思議だ。とても落ち着く、心が浄化されるような場所。
実家に帰ってくると2匹の双子の猫が迎えてくれた。ハルとマキ。我が家には家族のグループLINEがあって写真や動画ではよく見ていた。はじめはよそよそしいのに、存在に慣れてくると近づいてくるのが素直でかわいい。我が家に来てくれてありがとう。
家族と一緒に過ごした年末。
こんなにゆっくり家族5人で過ごせたのは久しぶりかもしれない。
全員が一気に自由に喋り始めるから話しの収集がつかないのも、ごはんのときだけ静かになるのも、ツボが浅い母と妹の笑いにつられてその空気になぜか全員が笑い出してしまうのも、とても愛おしい時間だ。
期限がある状況であることを自覚してやっと、大切さを痛感する。
人は良くも悪くも案外簡単にいろんなことに慣れてしまう仕組みなのかもしれない。
今回の帰省だって、『東京でまた夢に向かって頑張る』ことを前提に何泊するかを決めて富山県に帰ってきた。
家族5人で過ごせるお正月の回数だって無限に続くわけじゃないことをわかっている。
なんだってそうだ。有限だ。当たり前じゃない。
わたしはこの記事が公開される頃には東京に戻っているのだが、今日くらいはカメラロールを見返して、楽しかった余韻に浸りたい。そしてまた明日からへの活力にしていきたいと思う。
撮影・文 彩雪