vol.7「ケセラセラ 言葉の威力」
5 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、7回目は「ケセラセラ 言葉の威力」です。
vol.7「ケセラセラ 言葉の威力」
5 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、7回目は「ケセラセラ 言葉の威力」です。
わたしが大好きでモットーにしている言葉、読んでいる書物の中に出てくるとそれだけでこの本は最高だとさえ思えてしまう言葉。わたしが初めて出演させていただいた映画の台本にも出てきて運命を感じてしまった言葉。ケセラセラ。「ケセラセラ」ってなんか読んでも書いても本当に楽観的でどうにでもなりそう。
この言葉を実際に口から発せられたのを聞いたのは大学の研究室の先生だった。ふと思い出したけど元気かな。
進路の相談のときに「笑わないで聞くから」って言ってくれてすこぶる安心したことだけは鮮明に覚えてる。映画と数学がとにかく好きな先生だった。わたしと一緒だ。この言葉をかけてくれた人が人生で2人いる。この言葉のもつ威力が異常なのでわたしも大切な人の大切なときに使っていきたい。
高校生の時点ではわたしは『ケセラセラ』という言葉に出会っていなかった。人は必要なときに完璧なタイミングで必要な言葉や人に出会うらしい。
たしかに高校生のとき、わたしは迷うことなくバスケと勉強に全力を注いでいた。紛れもなく。
遠い未来のことなんて考えずに。ただ、真摯にやりたいこと、やるべきことに向かっていた。
それがどんどんできなくなっていった。歳を重ねるにつれ、ひとつの目標に向かって頑張ることがどんどん難しいことに思えていった。
でも、本当にケセラセラなんだよ。
今の自分の姿はたくさんの選択肢がある中で自分の意思で1つを選び続けてきた結果。残酷なことに人生は一度きりらしいので、生涯を通してわたしはワンパターンの人生しか経験できない。
“本当に、自分で決めたことを頑張れば、あとはなるようになる。これがケセラセラ。いろんなことが「伏線回収」されていく。ある経験とある経験が、思わぬタイミングでつながって、自分を助けてくれるんです。”
この言葉を知ったこの歳になって、よくバスケの試合をした体育館や、よく勉強した施設に立ち寄った。
あのときくらいの熱量を復活させて東京に戻る。
撮影・文 彩雪