vol.8「記憶を具現化したみたいな写真」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、8回目は「記憶を具現化したみたいな写真」です。
vol.8「記憶を具現化したみたいな写真」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、8回目は「記憶を具現化したみたいな写真」です。

「そういうところで写真を撮っちゃうところが好きだよ」と、滅多に聞かない、胸の奥の方をぎゅっと掴まれたような言葉を受け取って以来、わたしもその人が撮る写真をその人の人格の一部として見るようになった。
それがこの写真。

これは友達と神保町で古本屋さんやカフェを巡った日の写真。当時ポケットに写ルンですを常に忍ばせていた。青色の車が来てくれた瞬間に「撮りたい!!」と衝動的に思って焦って撮ったため、いざ現像してみると指が写り込んで、思い描いた絵にはならなかった。
残念ながら3つの色が揃うことはなかったが、その時にもらった言葉は宝物だ。
これは記憶を具現化したみたいな写真。
わたしの写真はこのコラムを読んでくれている方々にはどう写っているのだろうか。

この写真を見て、わたしの写真っぽくないなと思った方は大正解。
「思い立ったから今日宿を取って明日の朝一で海を見ることにしたんだ〜!」というメッセージとともに海の写真を送ってきてくれた友達がいる。その子はとにかく素直で明るくて太陽みたいな子だ。でもどこか危なっかしくて繊細。
そしてとてつもなく愛とエネルギーを持っている。大好きだ。
その子は度々写真を送ってきてくれる。

これなんかは
「見て見て!金平糖」
「ばら撒いたように見えない?百日紅の花だよ」
と言うメッセージが添えられていた。
わたしが意識しすぎかもしれないのだが、撮る写真でどんな視点でどんな感覚で日常を捉えているのかがわかる気がする。これはパーソナリティー。
わたしも性格が変われば撮る写真も変わったりするのかな。美しいものに疎くならないようにしたい。



撮影・文 彩雪