vol.13「写真の中だけの思い出」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、13回目は「写真の中だけの思い出」です。
vol.13「写真の中だけの思い出」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、13回目は「写真の中だけの思い出」です。

先日「The Hangover」という映画を見た。
(若干ネタバレを含みます)
簡単にストーリーを説明すると、結婚を控えた男がその親友たちと結婚前夜祭をラスベガスで開いた。とびきり楽しいクレイジーな夜が明けて待ち受けてたのはひどい二日酔いで、誰も記憶はないしなぜか赤ん坊と虎がホテルの部屋にいて新郎になるはずの男の姿がない!
となって行方不明の新郎の男を探し出して結婚式に向かうというストーリーなのだが、エンドロールの演出がとにかく最高。
ラストシーンで旅行中に使ったカメラが出てきてその中の写真を見るのだ。
あの夜何が起こっていたのか、写真を通して知ることになる。
その写真が本当に楽しそうで狂ってて、見てるこっちにまで臨場感が伝わる。
彼らにとってはこの写真がさまざまな証拠や黒歴史になってしまうわけだけれど、心底ではほんのちょっとくらいは写真を撮っておいてよかったと思えるような、お互いに最高の親友だと再確認できるような良い思い出の一部になるんじゃないかと思う(憶測だけど笑)ぜひ見てみてほしい。


こういう写真にとても愛を感じる。
だって、わたしがこういう写真を撮るときは一緒にいたということを、思い出としてこの瞬間を残しておきたいがために撮るからだ。
わたしが学生時代なんて、特に暇さえあればカメラロールを見返していたし、SNSはほとんど使ってなかったから、ただその場が楽しいから写真を撮っていた。写りがどうとかそういうのはどうでもよくて。なんなら爆笑して変な顔してるくらいが面白かった。意味もなく何枚も連写したり、笑いすぎてブレてたり。そういう写真がカメラロールにあふれていて、みんなで見返してはまた爆笑する、の繰り返しだった。



今でもたまに見返す。
あの頃どんな生活をしていたのかもうすでに曖昧だし、いろんな辛かったことも悲しかったこともあったけど相殺して楽しかった。写真が物語っている。
一緒にいて爆笑できるような人がいるのは幸せなことだなって大人になって改めて感じた。



撮影・文 彩雪