vol.14「自己中に生きよう」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、14回目は「自己中に生きよう」です。
vol.14「自己中に生きよう」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、14回目は「自己中に生きよう」です。

結局、人間は思い込みの力に引っ張られる。
たとえば、プラシーボ効果というものがあるように。
たとえば、恋は盲目だという言葉が存在するように。
たとえば、「いいね」がたくさんついたInstagramの写真は、自分が適当に載せたものでもいい写真に見えてくるように。


これらはわたしが最近撮った好きな写真。
きっとSNSに載せてもあんまり反応がないことは自分でもわかる。でもわたしはすごく好き。

これは以前コラムでセルフポートレートについて書いたあと、感化されて久しぶりに撮ったセルフポートレート。
人に撮ってもらったらきっと、鼻の先が切れてるなんてこんな撮り方しないだろう。
たまたま撮れたものだが、見たことないような意味不明なこの切り取られ方が好きだ。


実際SNSに載せたのはこの2枚。
いつからかInstagramの「いいね」の表示をしないようにできるようになった。
他人の目を気にして、「いいね」の数で写真の評価をして、自分の感性を殺してしまった人が何人いるだろう。わたしもそのひとりだ。
数字にメンタルを支配される毎日。「いいね」という存在だってその支配者の1人だ。
自分のアカウントであるにも関わらず、自分じゃないような気がした。わたしが発信したいのは、共有したいのは、なんだったっけ。
せっかくの好きという感情、人、もの、楽しかったこと、嬉しい報告、もっと大切にしたい。もっと自分に素直でいたい。・・・意外と難しい。
SNSでももっとハッピーな気持ちになれるニュースがたくさん流れてくればいいのに、そんな世の中であれば良いのに。
日常的に美しいものをたくさん目にすることができるSNSであれば、人間の思考もいい方向転換するだろうな。いや、わたしたちが変わればSNSのあり方も変わるのか。
いずれにしてもわたしは明日朝起きてもわたしだから、周りに迷惑をかけない程度に自己中に生きよう。

撮影・文 彩雪