vol.20「垣間見れる情」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、20回目は「垣間見れる情」です。
vol.20「垣間見れる情」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、20回目は「垣間見れる情」です。
日常写真は一種の自己投影。
例えば写真家の男の子がずらーっと並んで同じ場所で、同じ「日の丸構図」で撮った女の子の笑った写真5枚の中から 「どれが僕の愛する恋人でしょうか?」 と質問されたとして、多分わたしは直感でしか答えられないし、正解する自信もない。
だからわたしは、SNSでよく目にする 『写真には撮り手のその人への愛情が写る説』 を全く信じていなかった。
でもどうやらこれは分かる人には分かるみたい。
先日わたしの撮った写真を見た人から「人が写っていなくても、人の表情が見えなくても、ものすごく愛情を感じる」と言われて、 ああ、確かにここは大好きな場所だなとか、確かにこのとき会話に夢中でいつの間にか時間が過ぎていったときのカフェの写真だな、とかいろいろ思い出して照れてしまった。
どうやら分かる人には分かっちゃうみたい。
わたしももっとたくさんのものを見て、触れて、知って、経験したら、そんな感性が身についてくるかな、とか考えると自分がいかに無知か思い知らさせる。でも、多分、これから歳をどれだけ重ねても、こんな短い人生じゃ一生無知だ。だから楽しいのかもしれないけど。
これは舞台稽古前、歩いていたら雨と桜がとっても綺麗で撮った写真。
こうやって、その日にしか、その時しか出会えない景色がたくさんあって、それに気付くことができるのは、わたしの場合は、カメラがあるからだと思う。
写真を撮る習慣がなかったら素通りしていたかもしれない。
これらの写真はこれを読んでくれているみなさんにはどう見えるんだろうか。
雨の日はなんだか暗いイメージを持ちがちだけれど、わたしはこの写真をこの上なくルンルンな状態で撮った。それが伝わったりするのだろうか。あるいはわたしの性格や趣味嗜好まで垣間見れてしまったりするのだろうか。
前になにかの本か映画で見た『わたし、あなたのモノの見方が好き』っていう告白がとっても素敵で印象に残っている。
撮影・文 彩雪