vol.23「雨の日の京都は楽しい」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、23回目は「雨の日の京都は楽しい」です。
vol.23「雨の日の京都は楽しい」
7 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、23回目は「雨の日の京都は楽しい」です。
先日、大好きな場所、京都に行ってきた。
とても綺麗で風情があって、行くたびになんとなくほっとする。
わたしは5年間関西に住んでいたので、京都には週末によく遊びに行っていた。
そのときは街並みを楽しんだり、名所に出向いたりすることはあまりなかったが観光目的に京都に行くと、よりその良さを感じることができた。
今回は烏丸のホテルに泊まり、翌日は清水寺のほうに行ってきた。
『カンデオホテルズ京都烏丸六角』というホテル。「ここ京都っぽくて素敵な建物だな」と思いながら通り過ぎたところが、まさかのわたしが宿泊するホテルでびっくりした。それくらいコスパが最強だった。畳で過ごせるラウンジやくつろげるソファがあって、とにかくここにいるだけでも京都を満喫できた。つくづくわたしは運が良い。
5年前にも同じように清水寺に行ったのだが、歳を重ねると感じ方が違っていた。味覚も視覚も聴覚も変化して、自分の中にスッと飛びこんでくるものが変化し、来たことがないような場所に行った気分になれた。
前にここに来た時は快晴だった。
夕日が綺麗で、同じように暗めの色の着物を着て、黄色の帯で締めて、小さいカメラを巾着の中に入れてこの街を歩いた。
今回も前回も、たくさん写真を撮った。
朝起きて雨の音を聞いて少し残念な気持ちになったが、外に出て、カメラを持ってみると気分だけは一気に晴れた。
紫色の傘が余計に京都の街を引き立ててくれて、木の濡れた感じも、小さな水溜りも、まるで映画のセットで、演出かのように見えた。
そもそも雨の日に京都を観光したことは人生で一度もない。
ひょっとしたらむしろラッキーかも!って思えるくらいポジティブ思考に切り替わった。
特にだれかと一緒にいるとき、わたしは風景や食べ物の写真を撮らなくなる。
やっぱり実際美しいものを見た時の感動や、実際口にしたときの感動は、写真では残せないからなのかもしれない。なぜそこに対する写欲がないのかはわたしにもわからない。
でも時間を一緒に共有した人との楽しそうな時間や、わくわくした顔、美味しそうな顔、そういうものは後で写真を見ただけでも伝わるから残しておきたくなる。
だからわたしのカメラフォルダーは愛する人たちの顔がズラーっと並んでいる。
この写真たちは元気の源のひとつ。
撮影・文 彩雪