vol.25「わたしのフィルム写真集」
10 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、25回目は「わたしのフィルム写真集」です。
vol.25「わたしのフィルム写真集」
10 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、25回目は「わたしのフィルム写真集」です。
デジタルカメラで撮った写真とフィルムカメラで撮った写真。
デジタルで撮った写真をフィルム風にレタッチすることもできるが、でもやっぱりニュアンスが違っていて。
わたしはフィルムで写真を撮るときは、より大きな感情を伴っていて、とても記憶に残っている出来事が多い。本当に撮りたいと思った日常の瞬間を、あるいは大好きな人たちを、大切に大切に、撮る。
今回はそんなフィルム写真コレクションを見てほしい。
大学の卒業旅行。
大学生の間、最も長く一緒にいた3人と北海道に行った。ちゃんと”購買”で北海道の旅の本も買って。計画を立てるところから、帰ってきて思い出話で爆笑するところまで、全部楽しかった。
『写真が趣味』それだけの共通点でSNSを通して知り合った2人。
この2人とはいろんなところに行った。2人のおかげでもっと写真が好きになった。1つ同じものが好きってだけで話は絶えなかった。
富山県の空。ゆっくりと時間が流れて、空気感に安心して、いつもより空が広く見えた。
相対性理論とか宇宙とかブラックホールとかそんなことをひたすら調べていた時期に撮った。こういうことを一緒に話せる人が周りにいて、運命を感じたりなんかした。時間なんてない。
上京して1ヶ月。この頃は知り合いがほとんどいなくて寂しかった。ちょっとひとりで散歩して、ちゃんとこれからのことを考えようと思って立ち寄った公園。赤羽橋。
深呼吸して、泣いて、切り替えて、この日のことは忘れないでおこうと思って上を見上げて撮った。
こんなに綺麗な空の時間に、場所に、たまたまいられてわたしはなんてラッキーなんだと思った。ついでに現像したら空と同じ色に感光していて、さらに気に入った。わたしはスーパーラッキーだと思った。
次に会う予定を立てるときか、どうしても共有しておきたい事項があるときにしか連絡はしない。会う頻度もめちゃくちゃ多いわけじゃないけど割と定期。
でも「これ好きそうだなと思って」とか言ってお土産を買ってきておいてくれたりする。
旅行に行ってたことさえ知らなかったのに。
朝の4時までだらだら話して、昼の13時まで寝て次に一緒に行きたいところだけ決めてあっさりバイバイ。そんな愛すべき友達。
これは明るさが足りなかったけど愛おしい写真。家族。ハルとマキ。この子たちが我が家に来てから、本当に雰囲気がいっそう明るくなった。家族のグループLINEの頻度も増えた。父と母がこの子たちにデレデレで面白い。これからもずっと見守っていてほしい。
こうやって文章を書いているだけで泣きそうなくらいたくさんの思い出があって、この写真たちには感情が詰まっている。
撮影・文 彩雪