vol.29「わたしの人生を変えた3冊の写真集」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、29回目は「わたしの人生を変えた3冊の写真集」です。
vol.29「わたしの人生を変えた3冊の写真集」
6 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、29回目は「わたしの人生を変えた3冊の写真集」です。
これはわたしの部屋の一角。
わたしは本、写真、絵、そういったものが好きだ。
今回はタイトルどおり、わたしの人生を変えた3冊の写真集を紹介したい。
この3冊に出会ってからわたしは生き方やマインドがあきらかに変わった。出会うべきときに出会うというけれど、本との出会いもやっぱりそうだと思う。
1.わたしがカメラをはじめた理由になった写真集。
【KARTE】 (竹下玲奈、笠井爾示 Noyuk)
とてもページ数が多い写真集だが、1枚1枚のもつ迫力がすごくて、言葉にするのが難かしい。実際に手に取って見た人だけが感じることのできる衝撃がある。強いエネルギーが詰まっている。
表紙の表情、写真の雰囲気を見て惹かれ、開いて1番はじめに目に飛び込んでくる写真にゾクゾクした。文字通りゾクゾクした。鳥肌がたつのを感じた。
最後まで見終わるとなぜか疲労感さえある。
それほどまでにこの方々は、この写真集に息を吹き込んでいるのだと思った。
モノクロ写真がかっこいいと思って挑戦してみたのもこの写真集を見たから。
実際撮ってみると、とても難しかった。
はじめてお金を出して買いたいと思った写真集がこれだった。わたしはカメラマンも演者もやっているが、どちらで息詰まったときでもこの写真集を開く。お薬みたいな存在。
2.日常的に写真を撮ろうと思った原点になったフィルム写真集
【妻を撮ること】 (中村泰介 雷鳥社)
カメラを向けられているのにも関わらずこんな自然な表情ができるものなのかと驚いた。
2人の生活を、歴史を、ただただ覗き見しているような感覚になる。
思わず微笑んでしまうような写真が、1ページに1枚、丁寧に並べられている。温かい気持ちになる。
撮る場所なんてどこでも良くて、ただ、愛する人がそこにいればいつでも撮りたい、という衝動が感じられる素敵な写真集。
わたしも大切なひとたちの”普段見せてくれる顔”を残しておきたいなと思った。
3.わたしのモノの見方を変えた写真集
【ソール・ライターのすべて】 (ソール・ライター 青幻舎)
大好きな写真家。
日本での写真展も開催されるたびに足を運んでいる。
雨の日が楽しくなったのはこの方のおかげだ。
もしかしたらわたしのコラムを読んでくださっていて、ソール・ライターをご存知の方は薄々勘づいていたかもしれない。
ソール・ライターの写真を見ると、写真が撮りたくてしょうがなくなる。
家に帰るまでの”いつも通る道”があまりにもアートに見えてしょうがなくなる。
光も影も建物も空も地面も植物も雨も鏡も他にも目に見えるモノ全て。
ソール・ライターの言葉
『重要なのは、どこで見たとか、何を見たかということではなく、どのように見たかということだ。』
この言葉は、写真を撮るときだけでなく、生き方そのものに言えると思う。
すべては自分がどう捉えるか次第。
自分に起きる全ての出来事に対して、ポジティブ変換したほうが良いと思えるようになった。まだまだ変換するのは下手だけど、そう思えるようになっただけでも生きやすく、そして、楽しくなった。
わたしは”本”が好きで、写真集自体はかなりたくさん持っている。
その中でも3冊抜選した。今回、このコラムを書くために久しぶりにもう一度写真集を開いたが、それも、わたしにはそうすることが必要なタイミングだったのかもしれない。
撮影・文 彩雪