vol.34「SNSとの向き合い方」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、34回目は「SNSとの向き合い方」です。
vol.34「SNSとの向き合い方」
9 Photos女優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、34回目は「SNSとの向き合い方」です。
みなさんは、写真を何のために、どんなときに、何を(誰を)撮っていますか?
思い出のため、記録のため、SNSのため・・・
結論から言うと、”今のわたし”はこれらすべてのためだ。
わたしは高校生になると市内にある富山高校に通うべく、1時間半かけて登校していた。
しかもわたしの生活は思い返せばなかなかハードで、
4:00 起床 勉強
5:00 朝ご飯 学校の準備
6:00 家を出発
電車の中では勉強
7:30 朝練
8:30 授業
17:00 部活
19:30 下校
電車の中では勉強
21:00 帰宅 夜ご飯 お風呂
22:00 勉強
23:00 就寝
こんな生活を平気でしていた。
学校って、勉強にしろ部活にしろ何かに向かって否応なく集中させてくれる環境と時間が整った場所だと思っていて、言ってしまえばやらなくてももちろん生きていける。むしろやりたいことがその歳ではっきりしているならそれに向かえばいいとわたしは思う。ただ、勉強も部活も、とりあえず目標をもって頑張る練習には最適だと思う。
なにかを達成するのに人並み以上の努力が必要なことも、努力が報われるとは限らないことも、何年も前に勉強と部活から学んだ。あのときは3年間だったけど今は違う。
無期限だけど期限がある状況に自らすることがいかに大切かってこれだけ生きてればさすがにわかる。
今、この歳になって、これくらいの熱量でいろんなことに取り組めたら、何歳からでも何にでも飛び込んでいける気がする。
(これは受験のときに自信をつけるために撮っておいた解いた数学の問題プリントの束)
少し話が逸れたが、高校生の時のことを思い出すと、確かに部活と勉強の毎日だったにも関わらず、本当に毎日爆笑して、楽しくて楽しくて楽しくて、ちょっと悔しかったという感情ばかりが湧いてくる。写真のせいだろうか。
高校生になると自分の携帯電話を買ってもらった。
でも、上記の生活をしているとスマホを触っている時間はほとんどなく、TwitterもInstagramも(tiktokは当時まだ普及していなかったと思う)わたしは受験が終わるまでやらないと決めていたので、そのために写真や動画を撮るということはしたことがなかった。
それでも、高校時代に撮った写真はたくさんあるし、みんなと写真を撮るのが楽しかった。毎日のように部活後に写真や動画を撮っていた記憶がある。暇さえあればその何百枚もある写真を自然と見返していた。このコラムを機に再度見返してみたが、本当に楽しそうでくっしゃくしゃの笑顔のみんながいた。何かに載せるためではなく(むしろ載せられないくらい)その場が面白くて撮ったネタ写真がたくさん並んでいた。
自分たちのためだけの、自分たちの写真。それがどれだけ愛おしいかを知っている。
母親はいつも、写真を撮るたびに現像する。データではなく手元に残る形にする。
『データだと携帯電話壊れたら無くなってしまうでしょ』
が合言葉である。これは少し合っているし、少し間違っている。でも、そういう気持ちで写真を残す。それがどんなに心地良いことかと思う。
わたしはもちろん、SNSに助けられて生きているし、SNSのために写真を撮ることもある。でも、写真を撮るときのワクワクした気持ちが『いいね』の数に支配されないように、気をつけていきたい。
写真を何のために、どんなときに、何を(誰を)撮りたい?
撮影・文 彩雪