vol.43「心の健康の保ち方」
11 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、43回目は「心の健康の保ち方」です。
vol.43「心の健康の保ち方」
11 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、43回目は「心の健康の保ち方」です。
今回は、わたしが最近見た綺麗な世界をお届けします。
わたしは近頃の休みの日には、いつも過ごしている都内のど真ん中から少し離れて、鳥と水の鳴き声だけが聞こえるような場所に行って心を落ち着かせて時間を過ごすようにしている。
本を読んだり映画を観たり、自分の好きなことを心から楽しむのはもちろん、近くにある公園を調べて、そこでカメラマンのお仕事(レタッチや動画編集など)をしたり、今もこうやってコラムを書いているように、文章を書き連ねたりしている。
なんとなく台詞を覚えるのはいつもいる環境の方が静かな場所より覚えやすい。だからここではやらない。とても不思議だけどわたしはわたしのことを理解しはじめている気がする。
自分が幸せかどうかは、自分で決めるしかない。
それはもうこれだけ生きていればさすがにわかっている。
情報過多なこの世界で自分軸で生きるということがどんなに難しいかも同時に知っている。
私は大自然の中にいると、今の自分に重点を置くことができる。
例えば、朝。昨夜はぐっすり眠れたな、というだけで幸せを感じられる。
布団から出て珈琲を飲む時間。
静かな場所で呼吸だけに集中してヨガをするという朝のルーティン。
ひと口ひと口味わって食べる美味しいご飯。
それを誰かと共有できるということ。
ゆっくりと入るお風呂。
その時に使うバスソルトを気分で変えるという楽しみ。
こうやってずっとやりたかった文章を書くお仕事ができているということ。
しかもそれが写真に関することであるということ。
その他にも夕日が綺麗だったとか面白い形の花を見つけたとか。
さらに本や映画、素晴らしい感性にいつでも触れることができる時代に生きているということ。
それらに何回救われてきたかわからない。
書き出してみたら案外たくさんの幸せを手に入れられていることがわかる。
これに気付けるか気付けないかで心の健康状態は変わってくると思う
わたしも過去にはこんな考え方をしていなかった。
同い年くらいの子が作った素敵な作品を見て悔しくなったり、周りの人との生活の豊かさのギャップに自分に対して憤ったり、人間関係で悩んで苦しくなったり。
その時のわたしはなぜがずっと急いでいて、求めていて、他人軸で生きていたように思う。
今”在るもの”ではなくて”無いもの”ばかりに目を向け、不安や不満を抱え込んでいた。
わたしの知らない世界はたくさんあって、わたしの知っている世界なんてほんのちっぽけなのに、その中でなぜか自分勝手に苦しんでいた。
こんなに勿体無い時間はないと思う。
そんなネガティブな感情を根に持ったままでは自分自身のことを愛することもリスペクトすることもできない。
自分自身が自分に1番身近な存在なのに、こんな状態で良いご縁に出会えるはずもない。
まずは自分が文字通り『客観的に自分を見て』最高だと思えるような状態でいたいと思った。
時間はかかったが、そうやって考えを改めて行った結果、今は自分の心の健康を保てる方法と思考の切り替え方に気付くことができた。
これに気付けたのは本や映画のおかげだったと今考えれば思う。
自分の好きなことを知っていること、落ち着ける環境を知っていること、思考の切り替え方を知っていること。
知っているだけでも生き様が変わる。
そしてこのコラムの写真を通して、みなさんにまで癒し効果をお届けできたらわたしにとってもこの上ない幸せだ。
撮影・文 彩雪