トライアル密着~第11回~
15 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は卒業の決まった猫さんのお話です。
トライアル密着~第11回~
15 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は卒業の決まった猫さんのお話です。
2019年3月にたまゆらに来たガブリエル。
生後5カ月ほどの華奢でやんちゃな甘えん坊の男の子でした。
たまゆらで暮らすこと1年半ちょっと。気が付くと華奢な面影はすっかり消え、甘えん坊の気質は残しつつも立派な大人の猫さんに成長しました。
それと同時にちょっと神経質な一面もあるガブちゃんは、フロアの他の猫と喧嘩するようになってしまっていました。
2020年7月にたまゆらに来たウッチャン。
推定7~8歳で人との暮らしを始めたウッチャンは、最初は「幻の猫」と呼ばれるくらい人前に姿を現さない引き籠りで、全く触れない猫さんでした。
そんなウッチャンもお客様の情熱と愛情で遊ぶ楽しさに目覚め人との距離がだんだん近くなり、そしてなんと卒業3日前に普通に触れるようになったのです。
いったいどんな心境の変化があったのか、それはウッチャンにしか分かりません。でも、自分がずっとのお家の子になるということを理解していたのではないかと思ってしまいます。
里親希望者さんは1年以上前からたまゆらに遊びに来てくださる常連さんでした。
実はずっとガブちゃんをお迎えしたくて、でも家の状況が整うまでにはガブちゃんはきっとお声がかかって卒業しているだろう、とその想いを秘めていらしたそうです。
まさか1年後までガブちゃんがいるとは思わなかったとの言葉に、強いご縁を感じました。
そしてガブちゃんの相棒に、同じ黒猫のウッチャンを選んでくださったのです。
まだその時は全く触れない猫だったにもかかわらず、その存在がとても気になるとのことで、人馴れと譲渡は決してイコールではないんだととても嬉しかったです。
そんなふたりのトライアル出発日。
実は触れないウッチャンをキャリーに入れるために、10日ほど前からウッチャンにはごはんをキャリーの中で食べてもらう練習をしていました。
当日は食べている間にキャリーの扉をそっと閉める作戦です。だまし討ちのようで申し訳なくもありましたが、正攻法では余計に怖い思いをさせるばかりではなく、当日中にキャリー
イン出来る自信が全くなかったのです。
果たして作戦は見事に成功し、無事に出発することが出来ました。
私は猫さんをキャリーに入れて病院など外に連れ出すときは、万が一のキャリーの破損に備えて猫を洗濯ネットに入れてからキャリーに入れるか、猫の入ったキャリーを洗濯ネットに入れるようにしています。
通院中にキャリーが壊れて猫が脱走してしまったという話も時々聞きます。
また、病院で怖くて暴れてしまうような猫さんは、予めネットに入っていると病院での診察もスムーズに行きますので、ぜひお試しください。
お家に着いたガブちゃんとウッチャン。
案の定ウッチャンは固まっていましたが、ガブちゃんは思いのほか落ち着いた様子。
やはり見知った顔が一緒にいるというのは心強いのだと思います。
これは2匹同時に迎えるメリットでもあります。
お客様や里親さまからいただいた大量のお持たせたち。
この中からさっそくおやつを出してあげてみたところ…。
ガブちゃん大興奮。
今まではみんなで1本だったおやつを一人で1本食べたのですから、さぞかしテンションも上がったことでしょう。
「こんなにたくさんのおやつをくれるなんて!ボク、ここの子になります‼」
最初は緊張してしまっておやつも食べられない子もいますが、意外とウッチャンも顔を出していて、これは順調な予感がします。
トライアル中は定期的に里親希望者さんからご連絡をいただき、既定の期間が過ぎたら最終的な意思の確認をして正式譲渡となります。
ガブちゃん、ウッチャン。ずっとのお家の子になるまであと少しだよ。
末永くどうぞお幸せにね!
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639