テンゲンくんその後~第24回~
12 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は前回新しいお家に出発したテンゲンくんについてのお話です。
テンゲンくんその後~第24回~
12 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は前回新しいお家に出発したテンゲンくんについてのお話です。
テンゲンくんは2月の初めにギョウメイくんと一緒にたまゆらへやってきました。
初日こそ怖がって固まっていたものの、翌日にはすっかり甘えてくるようになった驚異の人間好き。
お客様がいらっしゃれば、順番に全員に甘えて撫でてもらって、と始めのうちはたまゆら生活を満喫していたように見えたテンゲン。
様子が変わったのは3月に入って新ニャンが来た辺りからでした。
今まで一度もする事の無かったスプレー行為をするようになってしまったのです。
それまでは大人の猫ばかりで穏やかだった中にヤンチャ盛りの若猫が来て賑やかになったのがストレスだったのではないかと思います。
毎日繰り返されるスプレーに、掃除が大変なのはもちろんなのですが、里親さんが見つかるのが難しくなってしまったのでは…という心配もしていました。
そしてもう一つの懸念事項が夜鳴き。
テンゲンは昼間も大きな声で鳴くことが多かったのですが、夜も一晩中お腹の底から泣き叫び続けることがあって、その夜泊まり込んでいた自分が一睡も出来なかったほど。
これで一般のご家庭で暮らすことができるのだろうか、いくら人が好きでもこれは厳しいのではないかと不安しかありませんでした。
そんなテンゲンにお声がかかったのは4月の初めごろ。
3月に卒業したギョウメイの里親さんより、ギョウメイが寂しそうにしているのでやはり2
匹目を迎えようと思っているとご相談があったのです。
ギョウメイとの相性を考えたらテンゲンが一番ではないかと思ったものの、夜鳴きとスプレーがどうしても心配だったのですが、里親さんはそれでも受け入れると仰ってくださいました。
ストレスが原因ならうちでゆっくり暮らしてもらいたいです、とのお言葉がとても嬉しかったです。
もしダメだったらその時はその時、でも上手くいきますように!と祈るような気持ちで、皆さまからいただいたお持たせとともに送り出しました。
トライアル当日。
先住さんのギョウメイが予想を超えてテンゲンを歓迎してくれたのは前回お話した通りです。
そしてトライアルが始まり、初日は先住のギョウメイも引くほどのすごい声量で夜鳴きしていたとのこと。
さらには立ってトイレをしてしまうので、トイレの外が汚れてしまうというご連絡がありました。
ギョウメイにもシャーしてしまって、ギョウメイが緊張で食欲がなくなったりカーテンの裏に隠れちゃったりしているとのことでした。これは前途多難です。
ところが、4日目には夜鳴きの声量が小さくなり、5日目では夜鳴きゼロだったとのご報告が!
その頃にはギョウメイとテンゲンが喧嘩するようになったという別の心配事が出てきましたが、これは仲良く一緒に寝たり喧嘩したりとのことだったので、あまり心配せずご様子を見ていただくことにしました。
さらに数日経つ頃には、テンゲンはたまゆらに居た時と同じように人に甘えるようになり、しかもちゃんと先輩のいない時にこっそりお膝に乗り、夜鳴きも小声で短くなり、早朝のごはん催促もゆっくり目の時間になり、トイレもだいぶ座って出来るようになったとのこと。
なんだか色々問題が解決していて、ただただびっくりでした。
そうしてトライアルから10日目、無事に正式譲渡となったのです。
甘えっこで静かな環境を好むテンゲンには、元気いっぱいで好戦的な若猫がいるたまゆらは余程ストレスだったのでしょう。
テンゲンの問題行動を分かっていて迎えることを決意してくださった里親さんには感謝しかありません。
これからは優しい先住さんのギョウメイと里親さんと愛情いっぱいの穏やかな生活を楽しんでね。
テンゲン、卒業おめでとう!
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639