FIPという病気~第33回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回はFIP(猫伝染性腹膜炎)についてのお話です。
FIPという病気~第33回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回はFIP(猫伝染性腹膜炎)についてのお話です。
猫伝染性腹膜炎という病気は、元々猫が体内に持っていた猫腸コロナウイルスが突然変異をおこして発症します。
猫腸コロナウイルスを持っている猫さんはとても多く、サイトを見ると猫の6~7割が保有しているとあったり、8割が保有しているとあったり様々ですが(中には純血種のほとんどの猫が保有していると書いているものもありました)それ自体が大きな症状を引き起こすものではありません。
この腸コロナウイルスが突然変異を起こすと、発熱、食欲不振などの症状に加えてウェットタイプでは腹水や胸水の貯留、ドライタイプでは肉芽腫の形成や神経症状などが見られます。
確定診断が難しく、亡くなってから初めて分かるケースもあるとの事。
予防法も現在のところはまだありません。
このFIPに、たまゆら在籍中のチェリオが罹患してしまいました。
FIPを発症するほとんどの猫さんが2歳以下の若猫で、次に多いのが高齢の猫さんです。
現在7歳(推定)のチェリオが発症するのは珍しいケースです。
チェリオの発症までの経緯についてはこちらをご覧ください。
先日、投薬開始から1週間後の検査に行き、嬉しいことに数値の改善が見られました。
確実にお薬は効き始めています。
ただ、前回は分からなかった膵炎の疑いが出てきて、中々一筋縄ではいきません。
食欲が思うように戻らないのも膵炎の影響かもしれず、投薬と食事療法で様子を見ることになりました。
お薬の苦手なチェリオには気の毒ですが、ここはしっかり頑張ってもらいたいです。
チェリオの投薬は約3か月の間、毎日決まった時間に体重に合わせた量を飲ませ、投薬の前2時間と後1時間は絶食。投薬から1時間以内に吐き戻した場合は全量再投与と、なかなか管理がハードです。失敗は許されません。投薬完了後も一定期間の経過観察があります。
飲ませる側の人間も、投薬の時間が近づくと緊張でドキドキソワソワしてしまいます。
チェリオの治療には100万円を超える治療費がかかり、先日ご支援をお願いしたところ、たくさんの方から温かいお気持ちをちょうだいしております。
皆さまがチェリオに生きていて欲しいと思ってくださっていることがとても嬉しく、有難い思いでいっぱいです。
ほんの数年前までは延命治療以外の有効な治療法のなかったFIP。
高額な治療費やこのお薬を処方できて知識のある病院が限られているなどまだまだハードルは高いですが、寛解の可能性があるというのがこれほどまでに有難いものかと改めて実感しています。
チェリオは幸運なことに皆さまからご支援をいただき、日本でも有数のFIPに詳しい先生に診ていただくことが出来ています。
どうか最後まで応援よろしくお願いいたします。
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639