お家の子になったぎんちゃん~第34回~
11 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回はずっと店長の家で暮らしていた猫さんについてのお話です。
お家の子になったぎんちゃん~第34回~
11 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回はずっと店長の家で暮らしていた猫さんについてのお話です。
ぎんちゃんは2018年6月に、姉妹のみおちゃんと共にたまゆらに来ました。
来た当初はふたりとも全く触れず、これはなかなか手強い子が来たものだと気を引き締めたのを覚えています。
ぎんちゃんもみおちゃんも人への警戒心はとても強かったのですが、猫同士は仲が良くいつも沢山の猫に囲まれていました。
姉妹のみおちゃんは一足お先にもんたくん、ぴーちゃんと3匹一緒に卒業し、新しいお家でのんびり楽しく暮らしています。
ぎんちゃんもそれから半年後にお声がかかり、仲良しのユメちゃんと新しいお家に行ったのですが正式譲渡後に色々問題が起きてしまい、里親さんと話し合いを重ねた結果、一旦店長宅でぎんちゃんをお預かりし様子を見ることにしました。
それが今から1年半前の事。
店長宅には当時3匹の猫がいました。
いずれも猫好きなタイプではなく、猫好きなぎんちゃんが馴染めるかとても不安だったのですが、先住猫に怒られても怒られてもぎんちゃんは全く気にする様子がなく、そして意外なことに猫よりも人の近くにいることが多い猫さんだったのです。
昼間は人のいるリビングで寛ぎ、夜は店長と同じ部屋で、時には一緒にベッドで寝る生活。
お預かりの期間を経て正式に再度里親募集をかけることにはしましたが、店長宅にいて里親希望の方に直接会っていただくことが難しかったため、たまゆらに居た時のぎんちゃんを知っている方に限定して緩く里親さんを探していました。
半分以上、もう自分の家の子でもいいなと思っていたことも事実です。
そんなぎんちゃんですが、実はわりと早い段階で打診をいただいていました。
たまゆらから2匹猫さんを迎えてくださっている里親さんで、今度家を建て替える予定があるので、だいぶ先の話にはなるけどそれまでぎんちゃんがお声がかかっていなかったらお迎えを検討したいとお申し出があったのです。
それから1年以上経って相変わらず我が家で暮らしていたぎんちゃん、もうほぼうちの子だなと思っていた矢先、遂にお声がかかりました。
ぎんちゃんのお迎えを希望してくださったのは前述の里親さん。2019年3月に卒業したあられとキットのお家です。
キットくんは元々ぎんちゃんと一緒に卒業したユメちゃんの実の兄妹で、たまゆらで仲良くしていた猫さんです。不思議な巡り合わせを感じました。
新しいお家でのぎんちゃんは最初こそ固まってしまっていましたが、お家の方が辛抱強く見守ってくださり、徐々にお家に慣れ、人に慣れ、そして1か月半ほど経った今では猫さん同士も平和な空気が流れるようになったとのこと。
店長宅では得られなかった猫同士の交流もいずれ持てるようになってくれたらいいなと願っています。
人の姿が見えなくなると探しに来るのが何とも愛おしいと仰ってくださって、ぎんちゃんがしっかりお家の方を信頼しているのが伺えました。
今回の事例は例外中の例外ではありますが、たまゆらからの卒業生には卒業後も何かあったらいつでも出来る限り力になりたいと思っています。
でもそれは、里親さんも安易に何かあったらたまゆらに丸投げすればいいと考えるような方ではないと分かっているからこそ出来ることです。
お家生まれにもかかわらず、生まれたお家→シェルター→別の保護猫カフェ→たまゆら→最初の里親さん家→店長宅→ずっとのお家と若干3歳にして波乱万丈な猫生を歩んだぎんちゃん。
どんな環境でも一生懸命自分らしく生きていたね。
一緒に暮らした1年半は大変なことも多かったけど、とっても楽しかったです。
これからはのんびり穏やかに暮らしてね。
末永くどうぞお幸せに!
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639