卒業生との再会~第37回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は久しぶりに会った卒業生についてのお話です。
卒業生との再会~第37回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は久しぶりに会った卒業生についてのお話です。
2020年12月に卒業した淑子さん。
全く人馴れしていない状態でたまゆらに来たのが2019年7月のこと。
それから1年半、人と遊ぶことは大好きになった淑子さんでしたが、相変わらずほとんど触る事の出来ないまま卒業し、たぬこさんという新しい名前をもらいました。
それから8か月。
里親さんよりホテル利用のご希望があり、久しぶりにたぬこさんと再会することになりました。
お家での様子はちょくちょく伺っていましたが、実際に会うのは卒業以来です。
ずっとのお家に行った卒業生は、方向性は様々ですが、たまゆらに居た時とは性格の変わる子も多いです。
怖がりだったのがどっしり落ち着いていたり、逆にちょっと人見知りするようになったり、人が大好きな甘えっ子になっていたり。
たぬこさんはどんな猫さんになっているかなと楽しみにしていました。
そしてホテルチェックインの日。
まず心配していたのは、たぬこさんが無事に到着するかどうかでした。
なんせ警戒心の強いたぬこさん。キャリーに入ってもらうのも一苦労です。
いざとなったらお家に伺ってお手伝いするくらいの気持ちでいましたが、里親さんはさすが一緒に暮らしているだけあってたぬこさんの性格を把握したうえできっちりキャリーに入れて連れてきてくれました。
一緒のお家で暮らしている先輩猫のユメちゃんは3回目、ペプシくんは2回目のホテル利用で慣れていますが、たぬこさんは初めてのお泊りです。
しばらくは固まって出てこないかな、ごはんもなかなか食べてくれないだろうなと思っていました。
…が、予想に反して怒っていたのは初日だけ、2日後にはおもちゃで遊ぶようになったたぬこさん。
やはり仲良しのユメちゃん、ペプシくんが居たのが心強かったのですね。
そんなたぬこさん、数日経って気が付いたのですが、たまゆらに居た時と全く変わっていませんでした。
同居のユメちゃんはたまゆら時代、猫に甘えて人とは距離を取るような猫さんでしたが今ではすっかりおうちの子といった感じで人に対しての警戒心も随分薄くなっています。
ペプシくんに至ってはもうベタベタの甘えっこ。今回の滞在でも、ホテル部屋として利用しているバックルームではなくお客様のいらっしゃるフロアに行きたがるほどで、前回お泊りに来た時よりもさらに人が好きになっているのが分かりました。
それに比べてたぬこさんは何もかもそのまんま。
たまゆらに居た時ずっとバックルームにいたこともあって、久しぶりの再会という感じが全くありませんでした(笑)
全然触る事は出来ないのに、おもちゃを出すと寝ていてもそそくさと出てきて大はしゃぎ。
すごい!ブレない!とたまゆら時代のたぬこさんをご存じのお客様もびっくりされるくらいです。
それでも、同居のユメちゃんやペプシくんのことが大好きでふたりに甘えて暮らしている様子がうかがえて、とっても幸せにしているんだなというのはよく伝わってきました。
里親さんもそんなたぬこさんの性格を尊重して適度に距離をとってくださっているそうです。
たぬこさんの話をすると、全くと言っていいほど人馴れしていない猫さんが卒業したことに驚かれるお客様もいらっしゃいます。
でも里親さんにとって今やたぬこさんは欠かせない存在なのです。
とはいえ、1か月の長期滞在を経ていよいよチェックアウトを控え、無事にキャリーに入れる事は出来るのだろうか、と今からドキドキしている身としては、もう少し人馴れしてくれてもいいんだよ、という気持ちであることも否めなかったりします(笑)
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639