病気の猫と暮らす~第38回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は病気の猫さんとの暮らしについてのお話です。
病気の猫と暮らす~第38回~
10 Photos里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか?
そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。
東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」
ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。
今回は病気の猫さんとの暮らしについてのお話です。
現在たまゆらには、3匹お店でのケアが必要な猫さんがいます。
アッシュは糖尿病とてんかん、口内の炎症があり毎日朝夜のインスリン注射と投薬、そして歯科に強い病院への定期的な通院をしています。
インスリン注射は基本12時間おきで、食後30分以内に打つことになっています。
そのため、スタッフは朝9時に出勤し、退勤は早くても21時過ぎです。
よく「動物看護士さんなんですか?」と聞かれますが、インスリン注射の必要な猫さんと暮らしている方はほとんど皆さんご自分で自宅で注射されていると思います。
針がとても細くて、アッシュはもしかしたら注射されていることに気付いていないかもしれません。
お薬もごはんに混ぜれば何の疑いもなく一緒に食べてくれるため、お世話自体はとても楽をさせてもらっています。
チェリオは1年半以上難治性口内炎に悩まされており、ステロイドで治療をしていました。
本来なら1か月ほど効くはずのステロイド注射も2週間しか効かず、病院が苦手なチェリオは口が痛くなってくると私を避けて引き籠る日々が続いていました。
ふとしたことから存在を知った海外のお薬が上手く合って現在では比較的調子よくごはんを食べられています。
最近ステロイドの影響か皮膚が薄くなって少しの刺激でも避けてしまうようになったので、皮膚保護服を着ています。
そして7月末にFIP(猫伝染性腹膜炎)を発症し、約3か月の投薬が必要になりました。このお薬は基本的におやつなどに混ぜることは出来ない為、毎日チェリオを押さえて口を開けさせ直接飲ませます。
たまゆらに来たばかりの人馴れしていなかったチェリオなら至難の業だったでしょう。
さらに膵炎も発症してしまったので朝晩そのお薬の投薬もあります。
ゆらちゃんはたまゆらに来たばかりの頃から謎の体調不良が続いていました。
その度にいろんな先生にお世話になり、現在は鼻炎と腎不全の治療中です。
歯肉の炎症も出てしまって自分では全くご飯を食べないので1日4回シリンジで流動食を食べさせ、そして腎不全による脱水を防ぐために2日に1回お店で皮下点滴をしています。
来週からは定期的に遠方の病院へ通って歯科治療を受けることになりました。
余談ですが毎回麻酔をかけての処置になるので、腎臓などの数値を検査しつつの治療になります。
猫さんとの暮らしを検討中の方は、もしかしたらいずれこういう日が来るかもしれないということを頭の隅に置いていみてください。
特に元気な若い子を迎えようと考えている方には、なかなか想像し辛いことかもしれません。
10年後15年後に自分がそれを出来るか、金銭的な事だけでなく体力的な面も考慮していただけたら幸いです。
インスリン注射も皮下点滴も投薬も、病院の先生がきちんと教えてくださるので、猫さんの性格にもよりますがお家でのケアが可能です。
自分自身だけでなく、猫さんの方もケアをされることに慣れて来てお互いだんだんと楽になってくるというのが実感です。
覚悟は必要ですが、恐れすぎることは無いのだなと思っています。
文・今場奈々子(たまゆら店長)
保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~19時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜
東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639