vol.2「拝啓 休むのが苦手な、やさしいあなたへ」
3 Photosサウナライターとして活動する川邊実穂がお届けする連載「サウナで、わたしはわたしになる」。2回目は「拝啓 休むのが苦手な、やさしいあなたへ」です。
vol.2「拝啓 休むのが苦手な、やさしいあなたへ」
3 Photosサウナライターとして活動する川邊実穂がお届けする連載「サウナで、わたしはわたしになる」。2回目は「拝啓 休むのが苦手な、やさしいあなたへ」です。
サウナ室の外にはそれぞれお気に入りのサウナハットが並ぶ
「カワベさんは、どうしてサウナに入るんですか?」
担当編集さんからもらったこの質問が、頭の中をグルグルまわっていた。
理由は一つではないのだけれど、これだけは言えることがある。
私は休むのが苦手、とにかく苦手だった。
小さい頃から「マグロだねぇ」と言われてきた。
胸がときめいたが最後、「やってみたい!」という衝動は止められない。
常にあちこちに顔を出し、カレンダーとにらめっこ。
そんなことをずっと繰り返してきた。
電車の中でToDoリストを凝視したり、「あの人に連絡を取らないと…」と思考を巡らす時にふと
「今のわたし、“脳内過呼吸”では……?」
とぴったりな表現を見つけてしまった(勿論、すかさず嬉々とメモする)。
止まらない興奮の渦の中では、時折、自分で自分を抑えられないような時がある。
天空のアジト マルシンスパ から覗きこんだ雨の日の京王線
サウナと出合うまでは、休み方がよくわからなかった。
だけど今はサウナのおかげで、膨張した何かが弾けだしそうな毎日に、小休止を打てている。
それはなんにもしない、意図的に作りだされた60分間の空白。
友達と行った山賊サウナは、オーナーさんのサウナ愛が詰まった素敵な施設
休むのが苦手ということは、甘やかし下手でもあると思う。
そういう意味で今の私は、自分に大層わがままになれた。
だから、
自分のことをつい後回しにしてしまったり、ちょっとくらいの我慢が癖になっているやさしい貴方にこそ、“サウナ”という処方箋をお届けしたい。
そうはいってもやっぱりサウナが苦手……という方もいると思います。
なので次回は、型にハマらない、私のサウナの入り方をお伝えします。