日本郵政の迷走は民営化という構造改悪の当然の帰結
日本郵政グループが迷走している。かんぽ生命で、虚偽の説明による不正販売が大規模に行われ、同問題を追及したNHKに対して日本郵政が圧力をかけていたことも明らかになった。不祥事は郵政民営化がもたらした当然の帰結--。郵政行政の中枢にいた元官僚の稲村公望氏が、顔を真っ赤にして「民営化見直し」を訴えた。
▼いなむら・こうぼう 1948年、鹿児島県徳之島の郵便局の宿直室で生まれる。72年、東大法学部卒業後、郵政省入省。ボストンのフレッチャースクール修士。2001年、総務省政策統括官。03年、日本郵政公社が発足し、常務理事に就任。12年-14年、日本郵便副会長を務める。一貫して郵政民営化反対の立場を取る。現在は「月刊日本」客員編集委員、岡崎研究所特別研究員。