植野妙実子氏「表現の自由」の抑圧で民主国家は成立しない
列島を包む重苦しい空気に「表現の自由」が押し潰されそうだ。慰安婦問題を象徴する少女像などを展示する企画展が中止に追い込まれ、安倍首相の街頭演説にヤジを飛ばした市民は警察によって排除された。憲法とフランス公法専門家の植野妙実子氏は、「民主主義が脅かされている」と警鐘を鳴らす。
▽うえの・まみこ 1949年、東京都生まれ。中央大学法学部卒。同大学院法学研究科博士後期課程を満期退学後、専任講師、助教授を経て1993年から教授となった。2006年、仏エックス・マルセイユ第3大学で法学博士を取得。「基本に学ぶ憲法」などの著書がある。