SNS時代「超空気支配社会」の現状

「あらゆる議論は最後には『空気』できめられる」──。評論家の山本七平氏がそう記してから、間もなく45年。コロナ自粛や菅政権の突然の退陣と直後の衆院選での自民党勝利など、今年も日本社会特有の「空気」を実感させられた。SNS社会の到来によって倍化される「超空気支配」を憂う近現代史研究家の辻田真佐憲氏に、今の社会の実情と空気に翻弄されない術を聞いた。  (2021年12月5日収録)

▼辻田真佐憲(つじた・まさのり) 1984年、大阪府生まれ。慶応大文学部卒、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを手がける。著書に「大本営発表」「日本の軍歌」(ともに幻冬舎新書)、「超空気支配社会」(文春新書)など。最新著「防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史」(朝日新書)が今月13日に発売。