實原隆志氏・マイナ保険証、ひも付けトラブル新たに続発!!

中間報告では、マイナ保険証に誤って他人の情報が登録されていたケースが新たに1069件、公務員などの年金を運営する「共済組合」でもマイナンバーと年金情報のひも付けミスが118件確認されました。政府は今後、ひも付けに関するガイドライン作成や人手を介さないひも付け作業のデジタル化など、再発防止策に着手する予定です。  遅きに失したとはいえ、ガイドラインを作成しないよりはましですし、ひも付け作業のデジタル化に取り組む姿勢を示したことは評価できます。ただ、気になるのは、中間報告の中に〈国民の信頼回復に向けた対応〉として、〈カード取得の円滑化〉〈マイナ保険証の利用の促進〉が盛り込まれたことです。ひも付けトラブルが続出した原因の分析と再発防止が総点検に期待される役割のはずですが、マイナカードによる行政側のメリットを広報することが信頼回復につながるとは考えにくい。あくまでも中間報告なので、最終報告ではトラブル原因の分析・総括を期待したいですね。

(聞き手=高月太樹)

【プロフィル】

▽じつはら・たかし 1976年、千葉県生まれ。千葉大法経学部卒、千葉大大学院社会科学研究科修士課程修了。早大大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。長崎国際大講師やミュンヘン大客員研究員、福岡大法学部教授などを経て、23年4月から現職。著書に「情報自己決定権と制約法理」など。

#マイナ保険証 #ひも付けトラブル #注目の人