vol.35「人生の伏線回収」
9 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、35回目は「人生の伏線回収」です。
vol.35「人生の伏線回収」
9 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、35回目は「人生の伏線回収」です。
前回のコラムではわたしの高校時代のことについて少し触れた。
そんな先週の土曜日、高校時代一緒にバスケも勉強も頑張った友達が富山から会いにきてくれた。
久しぶりの再会に、会う前は少しドキドキした。バスケ部同期で集まったのだって3年くらい前のことだし、2人で会うのなんてもはやはじめてなんじゃないかとさえ思う。お互い『何にも変わってなくて安心した〜』とか言って。多分ものすごく変わってる。でも会話のテンポとかよく笑うところとかそもそもの雰囲気とかそういうところが何も変わってない。何年も会ってなかったのが嘘みたいに、話題を考えるよりも先に口が動くようなあの感覚を味わった。
昔の写真を見ながら『ほんとしょうもないことして笑ってたよね〜』って思い出話をしたり、最近同期のみんなはどうしてるかとか、近況報告とか。なんだかとても懐かしくて元気をもらえた。
ふりかえってみると、小学4年生から大学の引退試合までバスケを中心に続けた生活も、小中で並行してやっていた駅伝も、学生時代頑張って勉強した数学も、小さい頃から続けていた日記を書く習慣も、それを英語で書いていたことも、なぜか始めたカメラも、そしてそれを載せるために始めたSNSも、過去に出会ってきた人も、過去にやめたことも、全部全部今に繋がってるから、人生勝手に面白くなってきている。
今と過去がどう繋がってるか気付いた事象もあるけれど、もちろん気付いていない伏線もある。今と未来がどう繋がってるかなんて全くわからない。
もしかしたら今日の撮影が何かに繋がってるかもしれない。
もしかしたら今日ヨガをしたことが何かに繋がってるかもしれない。
もしかしたら今日サウナに行ったことが何かに繋がっているかもしれない。
もしかしたら今日カレーライスを食べたことが何かに繋がっているかもしれない。
もしかしたら今この文章を書いていることが何かに繋がってるかもしれない。
なんにせよ、人生の伏線回収は最高の結末であり続けたい。
”人生=誰と出逢うか”
この方程式の成立はみんな薄々感じているんじゃないかな。
それが実際に会った人でも本や映画を通して出会った人でもスマホの画面上で出会った人でも。なにをするにも出会った人に影響されているとわたしは感じている。
カメラロールに保存されている何枚もの写真。これらの写真に写っている人たちとわたしは実際に出会うことができた人生なんだなと思うと、とても嬉しくなった。
撮影・文 彩雪