vol.50「言葉と写真の共通項」
11 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、50回目は「言葉と写真の共通項」です。
vol.50「言葉と写真の共通項」
11 Photos俳優・カメラマンとして活動する彩雪が、日常で見つけたドキドキを写真を通してお届けする連載、50回目は「言葉と写真の共通項」です。
このコラムの連載が今回で最終回ということで、なんだか少し、緊張している。
最後は、わたしのお気に入りの写真を並べながら文を書き連ねていきたい。
性格は顔に出る。
生活は体型に出る。
本音は仕草に出る。
感情は声に出る。
センスは服に出る。
美意識は爪に出る。
清潔感は髪に出る。
落ち着きのなさは足に出る。
この言葉、今はかなり有名だと思うけど、はじめて見たときドキッとした。
文章も写真もこの全部を写し出すような気がしている。
MOMENTでさせていただいた連載は、わたしのありのままをさらけ出すような場所だったなと今は思う。
1年前のコラムと今のコラムを比べてみても、わたし自身の変化は一目瞭然。
コンスタントになにかを継続するとちゃんと変わってくれるものだ。
誰にだって、どんなにその職種のエキスパートにだって「はじめて」を過去に経験するときはあった。いろいろ上手くいかなかったり、慣れない分時間がかかったり。
なんかたまに気分がグワっと下がる時もあるけれど、1ヶ月前の自分と冷静になって比べてみたらできることが増えていたりして。みんな右も左もわからない状況は通ってきたはずなのに、周りがエキスパートだとどうしても自分だけダメじゃんみたいな気持ちになって、そういう成長を見落としがち。
”たまにはちゃんと自分を褒めること”、”できない理由を考えるのはやめること”も必要だと知った。
これも毎日写真と文章に触れて、自分と向き合える機会をもらえたから気付けたことだと思う。内面から変わったのだ。
わたしは文を書くことと写真を撮ることに共通することを考えた。
『残ること』。
どうして忘れてしまうんだろうな、忘れたくないと思っているのに。
書いておかないと、撮っておかないと、思い出せないことがたくさんある。
それはvol39『愛で溢れた写真たち』でも書いたように、知らないうちに母も教えてくれていた。
まるで『この時間があったということを忘れたくない』という囁くような写真たち。
こんな写真がカメラロールやアルバムに溢れているととても幸せな気持ちになれる。元気が出る。
『ナイスあのときのわたし!』と最近自分を褒めた出来事がある。
昔の日記を振り返っていて、わたしが初めて映画のオーディションに受かって台本をもらった日の文を見つけた。そこにはかなり乱文で、本当にテンションが上がっていることがわかる、思わずにやけてしまうような文があった。これを見ただけで自然とエネルギーが高まる。
これらは、残しておいてくれてなかったら、もしかしたら思い出すことはなかったかもしれない。唐突に思い出したとしても、ここまで心が動くくらい鮮明には思い出せなかったかもしれない。
『残しておくこと』で今のわたしが救われることだって、ある。
言葉と写真の威力はすごい。
写真を好きになってよかったなあって何度も痛感してきた。
紛れもなく人生を豊かにしてくれた。
わたしはこれから先もずっと、日常で見つけたドキドキを写真におさめながら生きていくのだと思う。
最後に、ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました!
撮影・文 彩雪