鉄・路をゆく第31回~台湾鉄道ローカル線平渓線
44 Photos台湾ローカル線の一つである平渓線は、台湾鉄道(以下台鉄)宜蘭線三貂嶺駅から青桐駅を結ぶ全長12.9キロの単線非電化路線。日本統治時代の台湾で屈指の炭田と云われた青桐坑の開発の為、台陽鉱業が192Ⅰ年7月に炭坑専用線石底線として開通させたのが前身で翌年に開業。その後1929年7月に台湾総統府に買収され、台湾総統府鉄道平渓銭として同年10月に営業を開始した。
平渓線の起点は三貂嶺駅だが、列車は二つ手前の瑞芳駅から直通。沿線は天燈(ランタン)上げができる十分や平渓、台湾のナイアガラの滝と云われる十分瀑布などが有名で、台北駅から1時間半で訪れることができる為、台湾でも人気のあるローカル鉄道。特に週末は多くの観光客でごった返す。切符はもちろん、台鉄のICカード(悠遊カード)も使用できるが、平渓線・深澳線が1日乗り放題のフリー切符も販売されている。
鉄・路をゆく第31回~台湾鉄道ローカル線平渓線
44 Photos台湾ローカル線の一つである平渓線は、台湾鉄道(以下台鉄)宜蘭線三貂嶺駅から青桐駅を結ぶ全長12.9キロの単線非電化路線。日本統治時代の台湾で屈指の炭田と云われた青桐坑の開発の為、台陽鉱業が192Ⅰ年7月に炭坑専用線石底線として開通させたのが前身で翌年に開業。その後1929年7月に台湾総統府に買収され、台湾総統府鉄道平渓銭として同年10月に営業を開始した。
平渓線の起点は三貂嶺駅だが、列車は二つ手前の瑞芳駅から直通。沿線は天燈(ランタン)上げができる十分や平渓、台湾のナイアガラの滝と云われる十分瀑布などが有名で、台北駅から1時間半で訪れることができる為、台湾でも人気のあるローカル鉄道。特に週末は多くの観光客でごった返す。切符はもちろん、台鉄のICカード(悠遊カード)も使用できるが、平渓線・深澳線が1日乗り放題のフリー切符も販売されている。
台鉄宜蘭線瑞芳駅駅舎。台北からの列車がほぼすべて停車するので、平渓線に乗車する実質の起点駅。ちなみにこの駅からバスで有名観光地九份へ向かうことができる
瑞芳駅駅舎内
十分・菁桐方面への列車、また到着列車は3番線を使用
駅窓口で購入できる平渓線・深澳線1日フリー切符(80元)。窓口に掲示しているので、指差しでも購入できる。概ねひと区間15~20元なので、何度か乗り降りする予定であればお得だ
3番線ホームにも改札口があり、ここでも平渓線・深澳線1日フリー切符が購入できる。
平渓線・深澳線で使用される車両はDR1000型気動車。ちなみに日本車輌が製造
車内はロングシートで構成されており、各車両には御手洗も備わっている
しかしまだ一部転換クロスシート車が残っている。ただし座席が回転しなかったり、リクライニング機能が壊れていたりと快適さはあまり感じない
三貂嶺駅から先は単線の平渓線に入る。写真は逆に平渓線から宜蘭線には合流する地点。(奥に見えるのが三貂嶺駅)
単線の平渓線ではタブレット方式が用いられている。タブレットを持たない列車は、その区間に進入することができない
三貂嶺駅では走行中(運転中)にホーム駅員へタブレットを渡す
十分駅。1929年10月1日に十分寮駅として開業し、1962年12月15日に現在の駅名に改称された
1つの島式ホームと1つの単式ホームからなる十分駅。平渓線で唯一の列車行き違いができる駅。右は瑞芳駅方面の列車が発着する1番線。左は主に青桐行列車が発着する2・3番線
十分駅は列車行き違いの為、タブレットの交換をおこなう
茶色の建物が十分駅舎。2・3番線から駅舎へは線路を渡る
週末の午後~夕方になると、写真のように観光客がどっと押し寄せる十分駅。(15時40分頃撮影)
駅近くのつり橋から十分駅を望む。右手には線路脇にならぶ飲食店が見える
日本人観光客用に日本語表記をしているものを多数見かけるが、惜しい表記が目に付く
エリンギがやたらと目立つ
駅から瑞芳方おおむね300メートルの線路内は列車が来ない時間帯、写真撮影やランタン上げを行う際の立ち入りが許されている
ランタンを上げる観光客。ランタンの色によって願い事の種類が分かれており、購入者は自由に選ぶことができる
列車が近づくと合図があり、人は線路両側に退避する。夕方から夜にかけてこのように観光客が集まる
線路の両側には百軒以上の飲食店や土産物店、そしてランタン(天燈上げ)を取り扱う店が並ぶ
すれすれを走る列車
また所々線路脇に置かれているじょうろやばけつ。これはランタンが燃えてしまったときに消火する様に置かれているもの
空に放たれたランタンは燃料がなくなると、周辺の山々や川、街中に落ちてくる。それを地元の方々が集めて回収業者にもっていく(一つ数元で買い取ってくれるそう)。またボランティアの方々が回収している
終点一つ前の平渓駅。1929年10月1日に石底駅として開業し、1946年に現在の平渓駅に改称された
2面1線の平渓駅。かつては列車行き違い設備のある駅だったが、片側の線路を撤去してホーム(左側)を設置した。現在は使用されていない
平渓駅周辺でもランタン上げを体験することができる。左下にはランタンの色で願い事が違うことを伝える看板が見える
十分よりも観光客が少なくゆったりとランタン上げを体験できるそうだが、メインは暗くなってからとあって、大半の店舗が閉まっていた
駅近くの平渓老街へ向かうと、ローカルの店といった雰囲気ある店が点在している
平渓線終点の青桐駅。1929年10月1日に菁桐坑駅として開業。のち1962年12月15日に現在の菁桐駅と改称。開業当時からの日本式木造駅舎が残る
1面1線の単式ホーム
駅舎横にある鉄道グッズを主に取り扱うショップ
駅前では飲食物やランタン(青桐駅周辺でも可能)などを販売している店が立ち並ぶ
青桐の名物である許願筒。写真のような竹筒があちこちで販売されており、それに願い事書いて周辺の木や壁などに吊るすことができる
青桐駅ホームに沿って吊るされた、大量の許願筒
青桐駅構内は、炭鉱で栄えた時代の面影を色濃く残す。右手は石炭積み出し用建造物(ホッパー)
現在この建造物(ホッパー)の上部はカフェ「観景台珈琲」として使用されている
青桐駅構内や青桐老街をを一望できる。駅の反対側だが、構内を横断し、階段を使用して訪れることができる
カフェメニューの他、炒飯やパスタなどの軽食も楽しめる。写真はイカ墨を練りこんだピリ辛シーフードパスタ(メニュー名:主廚海鮮墨魚麺)
青桐駅終端部から瑞芳方を望む。立ち入り禁止の看板が一応あるものの、列車がない時間帯は線路内に立ち入りことができる