第33回でFIPに罹患したことをお知らせしたチェリオ。
皆様から応援やご支援をいただき、おかげさまで病院での検査でも問題なく約3カ月の投薬は無事に終了。経過観察に入ることになりました。

それと同時に、皮膚が裂けるようになってしまった原因も検査してもらい「皮膚脆弱症候群」と診断が。
この病気は猫には非常に珍しいようで、獣医さんでも教科書でしか見たこと無いとか、何その病気？と聞かれたりしたほど。
紹介状をいただいて皮膚専門の二次診療病院を受診することになりました。
せっかく投薬が一段落したところなのに、チェリオにはまだゆっくり出来る時は来ないようです。

それから約2週間後。
朝勤務に入っていたスタッフから、チェリオの様子がおかしいと連絡がありました。
かかりつけの先生に預けてもらうようお願いし、急いで病院へ直行。
先生の話では夜中に何らかの発作を起こしたのではないかとのことでした。
脳に原因がありそうだから詳しい病院へと勧められその場で予約を取り、チェリオが私の声を聞いて尻尾を振って立ち上がったためとりあえず大丈夫そうと、いったんたまゆらへ戻ることになりました。

その後、しばしたまゆらで様子を見て予約の病院へ。
それまで小康状態だったチェリオですが、病院へついた途端容体が悪化し呼吸停止に。先生をはじめ病院スタッフの皆様が手を尽くしてくださいましたが、そのまま息を吹き返すことはありませんでした。

前の日まで普通にしていたチェリオ。
何が起きたのか、悪い夢を見ているとしか思えません。いろいろ思うところあって病理解剖をお願いし、現在結果待ちです。

チェリオは翌日には病院からたまゆらに戻り、2日間お客様と最後のお別れをしました。
何度閉じさせてもうっすら目が開くので、きっと自分に会いに来た方々をしっかり目に焼き付けて旅立ちたいんだろうな、お客様が大好きだったチェリオらしいな、と途中からはそのままに。
（ちなみに調べたところ、目が乾燥していたり逆に湿り過ぎていたりすると開くケースがあるようです）

ちょうど土曜、日曜だったおかげもあって2日間本当に多くの方がお別れに来てくださり、いかにチェリオが皆様に愛されていたか、しみじみ実感しました。
１日目で既にチェリオが埋もれて見えなくなってしまいそうなほどお花をいただいたので、２日目はお気遣いしないようお願いをしたくらいです。
いらしていた方と、一度にこんなにたくさんの種類の花を見るのは初めてですね、と話していました。

人にも猫にもとても優しかったチェリオ。
撫でられるのが大好きでお客様がいらっしゃるとそっと傍に寄り添い、撫ででくれるのを待っていたチェリオ。
撫でられて嬉しい時に尻尾をピコピコ振るチェリオ。
同期のアッシュが大好きだったチェリオ。
本当はまんまるお目目なのに、カメラを向けられるとキメ顔を作るチェリオ。
ごはんに関しては妥協せず、気に入らないごはんだと口を付けずに抗議してくるチェリオ。
根負けして美味しいごはんを出すと、ゴロゴロ喉を鳴らして食べるチェリオ。
投薬が嫌で、営業時間外は存在を消して隠れていたチェリオ

（でも大体いつも同じ場所に隠れていてすぐに見つかる）

FIP以外にもいくつも病気を抱えていて、常に投薬や通院をしていました。
そのせいで私はチェリオに避けられていたけれど、お客様が代わりにいっぱい撫でてくれたのでチェリオは人が大好きでした。
チェリオを存分に甘やかしてくださった皆様、改めましてありがとうございます。

今回のチェリオの治療に際し、たくさんの方からご支援いただきました。
90名の方からお振込で計2,239,172円、そして店頭の募金箱や直接頂戴した分は489,435円と、今回の治療費をはるかに超える額をちょうだいしています。
チェリオにだけでなく他の猫さんへといただいている分もありまして、特に匿名希望で多額のお振込があったのは、もしかしてゆらちゃんにでは、と思っております。

たまゆらにはまだまだ費用の掛かる治療を受けている猫さんもいますので、今回いただいた分は全てありがたく猫たちの医療費として使わせていただきます。

チェリオのお骨は11月2日にたまゆらに戻ってきました。
しばらくはここに居てもらうつもりです。
たまゆらの後輩たちを見守っていてね、そしていつかまた会おうね。
たまゆらに来てくれて本当にありがとう。
大好きだよ、チェリオ。

文・今場奈々子（たまゆら店長）

保護猫カフェたまゆら
営業時間
平日　13時～16時　17時～20時
土日祝　13時～19時（最終受付はクローズ40分前)
定休日：毎週火曜

東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL：070-8509-5639