<中村哲が遺したものとは>山岡淳一郎×佐高信が徹底対談

「炎と水 中村哲と名もなき人たちの旅」(集英社)を上梓したノンフィクション作家の山岡淳一郎さんをお迎えした。対談相手は3年前に「中村哲という希望 日本国憲法を実行した男」(旬報社)を出版した評論家の佐高信さん。二人が縦横無尽に「中村哲」を論じあった。中村哲の業績は改めて言うまでもないが、2人の話からはぐっと迫る秘話がいくつも飛び出した。そして、今なぜ、「中村哲」なのか。折しも、ペルシャ湾に掃海艇派遣の話が現実味を帯びている。中村と言えば、イラクへ自衛隊を派遣する際、国会に参考人として呼ばれ、「自衛隊派遣は有害無益だ」と言い切った。佐高氏は中村を「歩く日本国憲法」と評している。平和は武器や軍事力でもたらされるものではない。持たないことが信頼につながる。今こそ、中村哲の生き様を振り返る時なのである。

佐高信(さたか・まこと) 1945年、山形県酒田市生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部卒業後、高校教諭や経済誌編集長を経て独立。企業、経済、政治、文化など幅広い分野で鋭い評論活動を続けている。権力や既成概念に対する批判精神を貫き、独自の視点から社会を読み解く論考で知られる。著書は『城山三郎の昭和』『西郷隆盛伝説』『反骨の人』など多数。講演や対談、執筆活動を通じて積極的に発信を続ける、日本を代表する言論人の一人である。

山岡淳一郎(やまおか・じゅんいちろう) 1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。政治、経済、医療、エネルギー、近現代史など幅広い分野を取材し、綿密な現場取材に基づくルポルタージュや人物評伝を数多く執筆。「人と時代」を見つめる視点に定評があり、社会の変化や課題を鋭く描き続けている。主な著書に『気骨 経営者土光敏夫の闘い』『田中角栄の資源戦争』『炎と水 中村哲と名もなき人たちの旅』など。テレビやネット番組の司会・コメンテーターとしても活躍している。